こんにちは、スギタです。
みなさんはやらなきゃいけないこと・やりたいことが明確に存在しているのになかなか行動に移せず、悶々とした日々を送った経験はありませんでしょうか。
目の前の課題に取り組むことが最良であることは十分わかっている、でもなぜか実行できない。億劫な気持ちに負けてしまう。気づいたらtwitterを開いてしまう……。
よほど勤勉な人でなければ、誰しも見に覚えがあるのではないでしょうか。しかし、こうした問題の先延ばしには「寿命が短くなる」「ストレスが溜まりやすい」といったデメリットがあることが、研究で明らかになったそうです。メンタリストのDaiGoさんもYoutube動画で指摘されていました。
まずは、ダメな自分を認めて正当化してあげましょう。そのためには、自分と同じようにダメな人を見て客観視することが有効です。今回は主人公がウダウダと言いながら行動に移さない、モラトリアムなマンガをご紹介します。
この記事は、以下の項目で4つ以上あてはまる方にオススメです。
- 明日できることは明日やる。
- 夏休みの宿題は8月31日に泣きながら終わらせてきた。
- 休日の予定を立てるのは好きなのに、面倒くさくなって家で寝て過ごす。
- 「俺が本気を出したらこんなもんじゃないぞ」という謎の自信はある。
- テスト勉強は基本的に一夜漬けだ。
- 「寝不足は逆効果なので一旦寝て、明日の早朝やろう」と思うも結局いつもの時間に起きて絶望する。
ちなみに僕は全部あてはまります。
俺はまだ本気出してないだけ
記事タイトルにも引用した、ダメ人間の代表的作品。(堤真一さん主演で映画化もされましたね)
40歳にして突然仕事を辞め、なんとなくマンガ家を目指すと宣言する大黒シズオ。彼とその娘をとりまく人間ドラマです。
70歳をこえる父親に叱られるは、バイト仲間の若者にはバカにされるは、出版社にマンガに持ち込んでもあしらわれるはで人間として、オトナとして圧倒的にダメなんだけど、そんな彼だからこそ丸裸で付き合える、ゆる~くつながった周囲の人間との関係が心地よい。
「こんなオトナにはなりたくないな」と「こんなオトナになりたいな」という二つの気持ちが同居する不思議な作品です。
かくかくしかじか
作者である東村アキコさんが、かつて通っていた絵画教室で美術を教えていた日高先生との日々を振り返る自伝マンガです。
日高先生の個性がキョーレツで、下手くそだとなじるは竹刀でぶっ叩くはでめちゃくちゃな人なのです(しかも実話を元にしているというからスゴい)。
とにかく笑えて、そして最後にホロリとさせるような素晴らしい作品なのですが、こちらでも主人公が青春時代をダラダラと無為に過ごしてしまう展開があります。
先生の超スパルタな指導により美大に合格するも、プツリと糸が切れてしまったように絵が描けなくなる。かといって本当に目指しているマンガ家になるという目標に向かって行動するかといえばそうでもなく、ただ大学生としての怠惰な生活から抜け出せない。
まあ世の大学生なんて大半がそんなもんだと思いますが、今や大人気マンガ家としてヒット作をバンバン出している人にもそういう時期があったんだな~と思うとちょっとだけ心が楽になります。
アオイホノオ
こちらも自伝(的)マンガ。
作者の島本和彦さんを投影したであろう主人公、焔 燃(ホノオ モユル)が大学時代、プロのマンガ家を目指して七転八倒する姿が、ケレン味たっぷりに描かれます。
少年時代からずっとマンガを描いてきたホノオはプロを目指し大作家芸術大学(島本先生が実際に通っていたのは大阪芸術大学)の門をくぐるのですが、その癖なかなかマンガを描きはじめません。
すでに商業誌で連載しているあだち充や高橋留美子を超上から目線で批評したり、他の新人マンガ家のデビューに焦ったり、腹筋を鍛えたり……。
「いいから早く描けよ!!」とつい思ってしまいながらも、その批評家精神はめちゃくちゃわかってしまうので、自分を見ているようで何も言えない。
それでも少しずつ前に向かって進んでいく姿に、励まされます。
また、ホノオの自信が揺らぐ要因として同クラスにヤバイほど才能が集まっていることもあるのですが、後にガイナックスを立ち上げる庵野秀明・山賀博之・赤井孝美らのキャンパスライフも垣間見えてとても楽しいのです。
島本さんは庵野さんに対してこの頃からコンプレックスを抱いていたようで、『シン・ゴジラ』が公開された際にも「まだこじらせてるんだな」ということが垣間見えて面白かったです。
庵野……オレの負けだ……
#シンゴジラ— 漫画家島本和彦 (@simakazu) 2016年7月29日
描かないマンガ家
本作は専門学校に通いプロのマンガ家を目指す……って、ここで気づいたけど今回取り上げた4作品すべてで主人公がマンガ目指してるな。
たまたま共通していただけかもしれないけど、もしかしたら「なかなか前に進めない停滞期」と「マンガ家という職業」の相性がいいのかもしれない。
ただ他の作品と一線を画すのは、主人公のどうしようもないクズっぷり。
- 画力は低く、ぶっちゃけ下手くそ
- マンガはおろかネームさえ描いたことがない
- 「器根田 刃」というペンネームだけは名乗り、ブログを更新
- 専門学校で切磋琢磨する同志を下に見ている
と列挙すると、どうしようもないクズであることが一目瞭然です。
こういう「どこにでもいそうな口だけの奴」が主役なので「痛々しさ」や「生々しさ」が段違いなんですよね。現在進行中の黒歴史を見ているようでこちらの心もグサグサ刺してくる。
でも、どこか憎みきれない魅力を持っていて、たまにいい顔でいい台詞を吐いてまわりに勇気を与えたりするからタチが悪い。
ここまで読んだ方は「こんなどうしようもない奴でも、いつかは心を入れ替えてマンガに向き合うのかな」とお思いかもしれませんが、この作品のすごいところは、タイトルの通り一向にマンガを描かないんですよね。
どんどん回を重ねて、ライバルたちは着実に目標に近づいているのに主人公だけは頑として描かない。「もうここまできたら最後までその姿勢を貫き通すのでは……?」と思ったところで終盤のシリアス展開、からの……!!!
夢を追いかける人には絶対に響くこと間違いなしの本作、全7巻なのでぜひ読んでみてください。
怠けグセがついている自分を変えるのは「自分を責めること」や「根性・気合」ではなく「ダメな自分を認めて」「頑張れるよう創意工夫すること」です。自分をより良く変化させ、ハッピーな日々を送って参りましょう。
※この記事は「今日書きあげよう!」→「眠いし明日でいいや…」を幾日も重ね、ようやく完成に至りました。自分エラい!!