博多で食べたものはそのどれもがことごとく美味しく感動を禁じえないものばかりでしたが、そのなかでも一番衝撃を受けたのは、『うどん平』です。
見た目はなんてことない普通のうどんだけど、ところがどっこい滅茶苦茶うまい。正直うどんのポテンシャルを舐めていました。
開店前に向かうもすでに長蛇の列が。先頭の方たちは徹夜組かもしれません。通りがかったおばちゃんに突然「なになに、何の列なの!?」と聞かれたので、びっくりしてつい「いや、実は僕もよくわからないで並んでるんですけど……」と答えてしまいました。うつけ者かよ。
そうこうしているうちに店内に通されたので、ごぼ天、丸天うどんを注文。
“完成”されすぎている……。
スープをひと口。うまい。うまいんだけど、何がどううまいのかは説明できない。なんだこれ。お出汁はうす味で上品なんだけどなんていうかこう…すごく…ああ、やっぱり無理だ。
麺に讃岐うどんのようなコシはなく、ふわふわした食感で当然のようにうまいわけです。なんかその今まで食べたうどんと違ってこう……ね?うん、そうそう!そういうこと。
MOTHERというロールプレイングゲームのシリーズのラスボスはそのあまりの異質さに、攻撃をうけた際「○○からの こうげきのしょうたいが つかめない!」というテキストが表示されるけど、まさにそんな感じです。
ごぼ天のサクサク感たるや。スナック感覚でいけます。さらに、うまみがギュッとつまっているのでもう完全にアレすぎます。
柚子こしょうを入れるとピリッとした刺激が加わってまた一段とアレなわけでして。
この店に来るためだけにまた福岡に来たい、と思わせるほどの求心力です。タモさんが愛したというのも頷けます。
飲みほしてしまいました。具合が悪いときにはこのお出汁を点滴してもらいたい。
その後も行列がきれる様子はありませんでした。5~60人が不正に割り込み、この店のうどんの多くが中国に運ばれ高値で取引されているというウワサもあります。由々しき事態ですね。
うどん平
営業時間:
[月~金]
11:30~16:30
[土]
11:30~15:00
定休日:日曜・祝日